一茎草

Exhibition
中村志野 Shino Nakamura
一茎草 I KKYO SO
2020. 10. 31 Sat – 11. 15 Sun
12:00 – 19:00 close Wednesday
毎日木を彫る。それが私の仕事です。
今回表題に選んだ一茎草という言葉は、文字通り一本の草のことで、小さな物を意味します。
禅僧の道元はこの言葉を用いて、食事を支度する際に、わずか一本の草を手に取るような仕事であっても仏道実現の場を顕現させよ、と伝えています。
私が大切にしている、日々の仕事道具のしつらえや、生活のありよう、野山の小さな生きものたちへの思いを表すように思います。
そしてこの言葉は、なんら価値のないように見えるもののたとえでもあります。
私の作品も一見するとがらくたのようなものばかりで、用途も限定されていません。
そこに使い手が介在することで生まれる発見が、ものを豊かにすると考えています。
中村志野
Artist 中村志野
木彫表現にはじまり、仏像の保存修復分野にて博士号を取得。その後、加賀市山中で挽物轆轤の技術を修める。
現在は寺院の仏像制作や修復にたずさわりながら、暮らしの中に出会う小さな存在への眼差しから木彫作品を作る。