Store #12 Armchair

Store #12   Armchair

 

THONET社製の肘掛け椅子。広い座面にゆったりと腰掛けられる。木製のフレームは、蒸気を使って木を曲げる同社が発明した「Bentwood」という加工法。一つの材が、背面から美しく弧を描きながらアームを成して、さらに地に向かって垂直に降り前脚となる。座面のクッションは減っているけれど、孔雀の羽のような連続模様のベロアの布地は、状態良く残っている。背面には黄土色のベロア地をはる。フレームのおおらかな曲線と、布地の組み合わせにもセンスを感じる。

この椅子をデザインしたのは、マルセル・カマラー (1878-1959) という人物。ウィーンの建築家 オットー・ワグナーに才能を認められ、ワグナーの工房でその手腕を発揮し、仲間と独立した後も、建築家、デザイナーとして活躍した。ブルジョワの邸宅や公共施設の建設に引く手数多だったのだが、第一次大戦後の社会において社会は一変し、建築家は労働者のための集合住宅を求められるようになる。そうした状況に馴染めなかったカマラーは職を去り、牧歌的な絵画制作の生活に入っていく。本品はカマラーがワグナー工房に所属していた1900年代初頭の作。華やかな社会、師のもとで充実した制作の日々を送っていた才能豊かな若者の感性がつくりだした一脚。

 

寸法 / W 53.0 H78.0 D50.0 cm

購入地 / チェコ

年代 / 1910

価格 / 150,000 (+tax)

 

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