金澤宏紀 陶展

Exhibition
金澤宏紀 陶展
土地に根ざして生きる、その先へ
2022年3月12日 (土) – 3月27日 (日)
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陶芸家 金澤宏紀さん 2020年春にSKLoで初めてご紹介して以来、 二度目の作品展を開催いたしました。
テーマは“ Beyond Native ” 。金澤さんは熊本県天草市に生まれ、実家の窯元 「丸尾焼」にたずさわりながら自らの表現としても器を作り続けています。家業からの学びや地元の素材を大切にし、独自の器作りを開拓する作家の姿に、土地に根ざして生きること(Native)を越えて(Beyond)その先へ進もうとする気概を感じました。
金澤宏紀 Hiroki Kanazawa
1987 年生まれ。熊本県天草市在住。 地元で採出される天草陶石を
素材として轆轤挽きによる器を制作している。
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金澤さんが近年、とくに力を注いでいるのは、配合を新しくしたという白い釉薬の器です。しっとりとしたマットな質感が器の形と相まって、ずっと触れていたくなる心地よい仕上がりとなっています。
熊本県天草市に生まれ制作をおこなう金澤さんは、同地原産の天草陶石を素材としています。柔らかなために本来は轆轤挽きには難しい天草陶石の土。金澤さんは轆轤にこだわり、特有の丸みをもたせながら器の形を作り上げています。
前回の個展でもご好評いただいた金澤さんの銀彩は、さらりとした質感で優しく光を反射します。今回は大皿も作っていただきました。和洋問わず毎日の食卓で活躍してくれそうです。
微細な皺のよった表情のある金属釉は、作品制作の試行錯誤のなかから生まれました。
まるでデニム布地のような肌触りは、白釉や銀彩とはまた違う個性をもって、使う人の手に馴染みます。
食器棚からつい、手に取ってしまう。そんな不思議な魅力が感じられます。
美しいカーブは金澤さんが重ねてきた、ろくろの技術から生まれます。
シンプルな花瓶もその一つ。こちらは白釉・銀彩・黒の三色があります。
優しく深く、使いやすく。日々の暮らしに寄り添う金澤宏紀さんの器たち。
金澤さんの器でお茶のおもてなし。
土地と共に
土地に根ざして生きることは、
やはり素敵です。
自身の成長や変化と共に
作品があることも。
金澤さんの器が、とても素直な空気を
運んできてくれました。
その空気に誘われて、
今度天草を訪れてみたいと思いました。
SKLo 塚本美樹
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DM photo / interview : Kanna Ogawa
Edit : SKLo